内面劇場

本の感想をメインに書いてます

『太平記ビギナーズ・クラシック』全巻読んだ気になる優れた要約書

全40巻もの超大作が、文庫本1冊に濃縮され、しかも現代語訳なので理解もしやすく大変ありがたい本です。

各巻の盛り上がりの部分を現代語訳と本文の抜き出し、それ以外はあらすじで要約しています。要約部分が多いと、物語として味気ないものになるかと思いきや、全然そんなことないんです!!
簡素にならず、物語として充分に読み応えがあるのです。

怪鳥『いつまで』の登場や、天狗や妖怪などが戦乱を不気味に彩り、無念の死に至った後醍醐天皇が大魔王となり、悪鬼となった日野俊基・資朝、新田義貞たちと共に倒幕を図る場面が各所に現れてはストーリーを盛り上げています。

目次が丁寧に書き込まれているのもポイントで。
各巻ごとに、1行で見出しがあり、各章ごとのあらすじに頁が記されています。も、目次見るだけで物語の流れがわかるようにもなっています。
このダイジェスト版を読み終わった後、気になる巻数を探すのにもとても便利です。

私はこの本で結構満足してしまったので、まだ本編読んでないんですけどいつか……

太平記ビギナーズ・クラシック』武田知宏 編
平成21年12月25日初版
カバーデザイン:谷口広樹
発行所:角川ソフィア文庫

お読みいただきありがとうございました。