志賀直哉の『城崎にて』を読みながら電車の旅をまったり過ごす。執筆の行き詰まりから紹介された城崎温泉で主人公である作家は二泊3日の奇妙な体験をする。道中読んだ本の内容に沿って城崎温泉の観光地を散歩している主人公が気がつくと本の世界、ちょっと逸れた妖の世界に引き込まれてしまう。
34頁ほどの短編物語。これは、志賀直哉生誕100年を記念して刊行された、城崎温泉地で買える本です。裏覚えながら、違う作家さん2作品か3あったように思います。なかなか面白い旅の記念だと思い、この1作品を選びました。せっかくだから全部買えばよかったな。
温泉地だけあって、ストーンペーパーという耐水・防水性のある紙で作られていますが、やはり紙なのですんごい濡れるのはダメらしい。
城崎の温泉は、コウノトリが足を浸けていたのがきっかけの今から約1400年もの歴史がある古い温泉地なのだそうです。
そういえば物語のなかでコウノトリが訴えながらに語っていた『鶴の恩返し』本当はコウノトリ説があるのですね、知りませんでした。
『コウノトリの恩返し』…ちと違和感…
実際のところ、読んだのは家に戻ってからですが、行ったばかりの街並みはまだ記憶に新しく、物語の情景がより鮮明に浮かび上がってこれはこれで現実の旅と、物語の架空の旅と2度楽しめました。
『本と温泉』
「城崎裁判」 著:万城目学
お読みいただきありがとうございました。